123号 『リセールバリュー』からみる当社運用物件とこれからの物件選定

マンションを所有したとして、その資産価値が将来的にどうなるのか——これは不動産投資を考える上で、非常に重要な関心事です。不動産運用においては、実際に売却を行うまでは損益が確定しないため、いわゆる“出口戦略”としての売却価格が投資成果を左右します。そこで今回は、不動産に関する調査・分析で定評のある東京カンテイ社が毎年発表している「築10年中古マンションのリセールバリュー」レポート(※)をもとに、当社が運用する物件エリアの資産価値の傾向について考察してみます。

※【東京カンテイ社「リセールバリュー」レポートとは】築10年前後の分譲マンションのうち、中古流通している物件を抽出し、それらが新築分譲時と比べて現在どの程度の価格で流通しているかを駅単位で調査したものです。なお、専有面積30㎡未満の物件は調査対象外となっています。
レポートURL:https://www.kantei.ne.jp/wp-content/uploads/122RV_shuto.pdf
(検索の際は「東京カンテイ リセールバリュー」で見つけることができます)

首都圏の傾向と価格上昇の背景

レポートによると、首都圏の多くのエリアで中古マンション価格が新築時よりも上昇している結果が見られました。特に、山手線内側やその沿線地域では上昇幅が顕著であり、資産価値の堅調さがうかがえます。
このような価格上昇の背景には、以下のような要因が考えられます。

  • 都心部の高い利便性と資産性に対する継続的な需要
  • インフレ傾向の影響
  • 新築供給の減少(仕入れ価格の高騰による)
  • 原材料費の上昇による建築コストの高騰

これら複合的な要因が、中古市場での価格上昇を支えていると見られます。

当社が運営している物件について

では、当社が「一口家主iAsset」「コンシェリアJAsset」として運用している物件は、リセールバリュー上どのような評価を受けているのでしょうか。現在取り扱っている13物件のうち、以下の11物件の最寄り駅は「新築時よりも高値で取引されている駅」として東京カンテイのデータに掲載されており、資産価値の高さが確認されています。

コンシェリア神楽坂 最寄駅:東京メトロ東西線「神楽坂」駅
コンシェリア東京 BAYSIDE COURT 最寄駅:東京メトロ有楽町線「月島」駅
コンシェリア馬込 TERRACE 最寄駅:都営浅草線「馬込」駅
コンシェリア池袋 CROSSIA 最寄駅:JR山手線「池袋」駅
コンシェリア池袋 Master’s Villa 最寄駅:JR山手線「池袋」駅
コンシェリア新宿 HILLSIDE SQUARE 最寄駅:都営大江戸線「若松河田」駅
コンシェリア目白 THE GRAND RESIDENCE 最寄駅:JR山手線「高田馬場」駅
コンシェリア品川南 THE GRAND RESIDENCE 最寄駅:京急本線「立会川」駅
コンシェリア大塚 CROSSIA 最寄駅:JR山手線「大塚」駅
コンシェリア大塚 HILLSIDE SQUARE 最寄駅:JR山手線「大塚」駅
コンシェリア目黒 THE RESIDENCE 最寄駅:JR山手線「目黒」駅

なお、以下の2物件については最寄駅の掲載がなかったものの、周辺駅がいずれも値上がりしている駅であったことから、同様の傾向が見込まれると判断できます。

コンシェリア王子飛鳥山 最寄駅:東京メトロ南北線「西ヶ原」駅
コンシェリア門前仲町 AQUA VERT 最寄駅:東京メトロ東西線「門前仲町」駅

これらの結果から、当社が運用するマンション群は都心または都心近郊の“好立地”に厳選されていること、そしてそのエリアにおける資産価値の高さが客観的に裏付けられていることがわかります。加えて近年は新規供給が難しい状況が続いており、こうした“好立地”物件の希少性はますます高まっています。これらの物件は今後も高い競争力と資産価値を維持できると考えられます。

価格上昇を喜ぶだけでは危険

現在、不動産市場全体が新築・中古問わず価格上昇トレンドにあります。この動きは歓迎すべき側面もある一方で、相場とかけ離れた高額な物件が市場に出回るケースも増加している点には注意が必要です。
たとえ立地や品質に優れた物件であっても、“高値掴み”をしてしまえば将来的に価格が下落するリスクは否めません。では、不動産を取得するうえで、どのような視点を持つことが賢明なのでしょうか?

賃料相場をよく確認しましょう

(運用目的で)物件を選定する際には、「賃料が適正であるか」という視点が重要です。価格だけが過熱し、賃料が追いついていない物件は、利回りが実態と乖離してしまいます。
加えて世の中には、相場とかけ離れた高い賃料設定を行い利回りを良く見せている商品もあるため注意が必要です。
以下のような物件を選ぶことで、リスクを抑えることができます。

  • 相場と整合性の取れた適正賃料で設定された物件
  • 相場より賃料が低く、今後の賃料上昇が見込める物件

おわりに:最後は「好立地」がモノをいう

最終的に、資産価値や賃料を支えるのは“立地”です。需要が見込めるエリアなら、仮に市況が悪化しても賃貸需要が下支えとなり、空室リスクや価格下落リスクが抑えられます。市況が回復した際にも、最も早く反応するのはこうしたエリアです。
これまでの東京カンテイのデータを振り返っても、数年前は都心や山手線沿線が値上がりする一方で、郊外では新築時より値下がりしていたケースも見られました。

  • 立地が良い=空室リスクが小さい
  • 立地が良い=市況変動に強い
  • 立地が良い=収益性が高い

つまり、「好立地」は投資用不動産の最大のリスクヘッジ要素なのです。
もちろん高値掴みには注意が必要ですが、これを見極めるには現場の相場感が欠かせません。値上がりの根拠や相場状況についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。